こんにちは、れいしきです。
突然ですが、WoTにおける弾薬は何種類か知ってますか?
正解は、4種類です。
この4種類の弾種はそれぞれ違った性質を持っていて、把握できていないと撃っても弾かれたりして射撃機会を失うことに繋がります。基本知識ですが、だからこそ大切なのでしっかり抑えておきたいですね。
弾種のほかにも、WoTでは3倍ルールや標準化、といった貫通判定システムがあり、少々ややこしいですが理解することで油断している敵の装甲をぶち抜けることもあります。
この記事では、
- 4種類の弾種
- 標準化
- 2倍ルール
- 強制跳弾
- 3倍ルール
について解説しています。Wikiを読んだけどイマイチ分からない…といった方でもわかるように書いたつもりです。もし分からないことがあればTwitterで質問してください。
動画でも紹介しています。
WoTの公式が解説動画をアップしているので、そちらと併せて見るとより理解が深まると思います。
与ダメージと貫通力の上振れ・下振れ
砲には平均ダメージが設定されていますが、戦場に出てみるとその通りのダメージは中々出ないですよね。これはダメージにばらつきが出るように設定されていて、そのブレ幅は±25%と設定されています。
例)
平均ダメージが750の場合、最大上振れで937ダメージ、最大下振れで562ダメージになるということです。
また、貫通力にも全く同じようにブレが設定されており、ブレ幅も同じく±25%です。
こちらも例を挙げると、300mmの装甲を抜きたいときは300mmの貫通力を持つ砲では半々で、340mmあれば安定して抜けるかな、といった感じです。
これらのブレは偏りはなく、完全に運です。
WoTにおける4種類の弾種
WoTには4種類の弾種が存在します。
・AP
・APCR
・HEAT
・HE(HESH)
HESHはシステム的にHEと同じなので、HEと分類しました。それでは順番に解説していきます。
AP(徹甲弾)
最も基本的な弾種であり、基本的に通常弾として扱われることが多いです。そのため、多くは安価で貫通力が低いとも言えます。イメージとしては、鉄の塊と考えれば概ね間違いありません。
特徴
・破壊可能な壁を貫通できる。
・標準化の効果が大きく、数値以上の貫通力を持つ
1つ目は普段使用していてわかると思いますが、破壊可能な壁を貫通してその奥にいる敵に攻撃ができます。この際、貫通力は25mm減少します。高速道路の街側がわかりやすい例ですね。ちなみに、破壊可能であっても家は貫通しません。
そして2つ目ですが、「標準化」という言葉が出てきました。分からない方も多いかもしれませんので、各弾種説明の後に解説します。
ものすごく簡単にいうと、角度を少し相殺して貫通しやすくなる、という効果です。
APCR(硬芯徹甲弾)
高ティアになると通常弾にも使われることの多い弾種ですね。プレミアム弾にもよく使われるため、高価なイメージがあると思います。基本的にAPより貫通力が高い場合がほとんどです。
特徴
・APと同じく壁を貫通できる
・APより弾速が速い
・APより標準化が少ない
・APより距離減衰が大きい
1つ目はAPと同じなので省略します。
2つ目ですが、APCRはAPより弾速が速くなっています。そのため、狙撃や偏差撃ちが比較的しやすくなっています。
3つ目、先ほどAPに標準化があると紹介しましたが、APCRもその効果を持っています。しかしAPよりも効果が小さく設定されています。こちらも標準化の解説の際に後述します。
4つ目、APの紹介の時は言っていませんでしたがAP・APCRには距離減衰があります。
距離減衰とは、距離が離れれば離れるほど貫通力が失われる、ということです。そしてAPCRはAPより距離減衰しやすい、という特徴を持っています。
これを理屈で説明すると、APCRはAPよりも軽く作られているらしく、その分空気抵抗を受けやすく距離減衰しやすいというわけです。
とはいえ、距離減衰があるといってもプレミアム弾がAPCRの場合はそちらの方が貫通確率は高いと言えるでしょう。また、分類上はAPCRでも実際はAPDSなどの距離減衰の少ない弾薬の場合もあります。(S.conなど)
HEAT(対戦車榴弾)
高ティアのプレミアム弾として使われることが多い弾種。そのため、基本的に貫通力が高く高価であると言えます。また、標準化はありません。
ちなみに、スウェーデンTDに通常弾も課金弾もHEATの駆逐戦車がいるようです。
特徴
・強制跳弾しにくい
・距離減衰がない
・壁を貫通しない
・空間装甲に弱い
1つ目、また分からないワードが出てきました。「強制跳弾」も後述しますが、簡単に説明すると貫通力に関係なく弾を弾くことです。その強制跳弾が起きにくいため、防御姿勢を取られてもダメージを与えやすいということになります。
2つ目、HEATには距離減衰はありません。このHEATというのは何かに触れた時に、貫通力を発揮します。これはWoT公式の動画を見るとわかりやすいと思います。
3つ目、2つ目でも言った通りHEATは何かに触れた際に貫通力を発揮するため、壁に当たるとそこで炸裂し、壁を貫通できません。そのため、高速道路の町側では非常に使いづらかったりします。
4つ目、これも2つ目3つ目と同じ原因で、何かに触れた際に貫通力を発揮するので、空間装甲に当たると本装甲に当たる前に貫通力が失われてしまい、貫通し辛くなります。
空間装甲とは、IS7の側面上部やStrv103Bの全面に配置されている装甲です。普通の装甲と比べると装甲厚は非常に薄いですが、本装甲の外側に空間を開けて配置されているため、対HEATとしては非常に優秀な装甲です。AP・APCRに対しては普通の装甲と同じ効果です。
ちなみに、HEATが何かに当たってから10cmごとに貫通力が5%ずつ減っていき、空間装甲が60mmだった場合は貫通力が30%も減っていしまいます。
また、履帯も空間装甲であるため履帯を切りながらダメージを与える「キャタはめ」はし辛いです。よく、「履帯に吸われた!!」というのがこの現象ですね。
HE(榴弾)・HESH(粘着榴弾)
機関砲以外の砲で使える弾種です。一般的に貫通力がかなり低く(大体砲の口径の半分の数値)設定されている反面、貫通した際与ダメージが大きく紙装甲相手に有効な弾種です。
また、貫通しない場合でも少ないダメージを与えられるため、どうしても貫通できない相手やCAP切りに使われたりします。
特徴
・貫通力が低い
・距離減衰しない
・壁を貫通しない
・貫通しなくてもダメージを与えられる
1つ目は先述した通りです。2つ目、3つ目に至ってもHEATと同様なので省略します。
4つ目ですが、口径が150mm以上ともなると榴弾の非貫通ダメージもそれなりとなります。自走砲がいい例ですね。他にもKV2やSU152、FV4005などがこの戦法です。
イギリス戦車にたまに採用されているHESHですが、WoTにおいては貫通力の高いHEという認識でOKです。
小まとめ
以上、各弾種の説明となります。簡単にまとめます。
・APは扱いやすいが大体貫通力は低い。標準化の恩恵が大きい。
・APCRはほぼAPの上位互換だが、距離減衰が大きく標準化も少ない。
・HEATは貫通力は高いが扱いが難しく、空間装甲に弱い。
・HEは低貫通高火力。貫通せずとも少量のダメージを与えられる。
おおよそこれくらいの認識で大丈夫です。
用語説明
標準化や強制跳弾など、分かりにくい用語があるのでそれぞれ説明します。また、それに合わせて「2倍ルール」「3倍ルール」についても説明します。
かなり細かい計算が出てきますが、分からなければ飛ばしてしまっても良いと思います。まずは大体の効果がわかるようにしてみてください。
・標準化
標準化とは、角度のついた装甲に対して攻撃する際、その角度を相殺し実質装甲厚を減らし貫通させやすくする効果です。
APは5°、APCRは2°角度を相殺します。
例えば、装甲厚が100mmで角度が45度の装甲があるとします。この装甲の実質装甲厚は、
100mm x 1/cos45° = 141mm
となりますが、ここに標準化の効果を適用させると
(APの場合)
100mm x 1/cos(45°-5°) = 130mm
(APCRの場合)
100mm x 1/cos(45°-3°) = 135mm
となります。些細な差かもしれませんが、後述する2倍ルールを合わせると強力な効果となります。
・2倍ルール
2倍ルールとは、相手の装甲厚に対して自分の砲の口径の2倍超過の数値(mm)の時、標準化の効果が大きくなる効果のことです。また、AP・APCRのみ適用される効果です。(2倍ちょうどでは適用されない)
効果の具体的な計算方法は
元の標準化角度x1.4x(砲弾の直径)/(装甲厚)
です。
装甲厚が100mmで角度が45度の装甲があるとします。
(APの場合)
100mm x 1/cos(45°-(5°x1.4x200mm/100mm)) = 100mm x 1/cos31° = 117mm
(太字が2倍ルールの効果)
となります。しかし、この場合口径が200mm以上でないといけないため、現状は起こり得ないことです。しかし今後のアプデで自走砲にAPが追加されると、無視できない効果となるでしょう。(参考:T92HMCの口径は240mm)
標準化や2倍ルール等についてWOT公式サイトが解説しているものがありますので、そちらも紹介しておきます。(ていうかそっちだけで事足りる気がする、、、。)
週刊ヴィクトリヤ日記 Vol.32『砲弾と貫通のメカニズム 後編』 | ダイアリー・シリーズ | World of Tanks
・強制跳弾
強制跳弾とは、大きく角度をつけている装甲に弾を当てた際、貫通力に関係なく跳弾させる効果のことです。これを有効活用することで、装甲の薄い戦車でも相手の砲弾を弾くことができます。
強制跳弾する為につける角度は、
AP・APCRが70°以上
HEATは85°以上
である必要があります。比べてみるとわかりやすいですが、HEATはかなり強制跳弾され辛いということです。
また、強制跳弾角度になっていても標準化によって相殺できそうな気がしますが、強制跳弾角度の状態で弾を当てた時点で強制跳弾されるため、標準化は関係ありません。ごっちゃになりやすいので注意です。
例をあげてみます。
口径が100mmのAPに対して、装甲厚が50mm角度を69°にしていると貫通されるが、70°にすると強制跳弾できる。
口径が100mmのHEATに対して、装甲厚が50mm角度を70°にしていると貫通されるが、86°にすると強制跳弾できる。
簡単にまとめると、
・標準化は装甲厚に対して効果を発揮する
・強制跳弾角度は装甲厚で弾くのではなく、角度で弾く
ということですね。
これをみると角度さえとっておけば無敵に思えるかもしれません。しかし、後述する3倍ルールが存在するため強制跳弾角度をとっていれば無敵、というわけではありません。
・3倍ルール
3倍ルールとは、相手の装甲厚に対して自分の砲の口径が3倍超過の数値だった際、強制跳弾を無効化させる効果です。(3倍ちょうどでは適用されない)
よく勘違いする点として、これは強制跳弾を無効化させるだけであって、貫通力が足りない場合は弾かれます。しかし、同時に2倍ルールの条件も満たすため、標準化も適用され貫通しやすくなると言えます。
この効果は2倍ルールと同じくHEAT・HEには適用されず、AP・APCRのみ使えます。名前が2倍ルールと酷似しているため、混同に注意。
例を出してみます。
口径が120mmで貫通力が150mmのAPの場合、角度70°を取った装甲厚40mmの装甲は強制跳弾してしまいます。
次に、口径が122mmで貫通力が150mmのAPの場合、角度70°を取った装甲厚40mmの装甲に対して強制跳弾角度を無効化し、貫通させることが可能となります。
ちなみに、この際の実質装甲厚(角度を加味した装甲厚)は約116mmです。
まとめ
ここまで用語解説しました。かなりややこしいと思いますので、まとめてみます。
・標準化とは、AP・APCRの時に角度を少し相殺して貫通させやすくする効果。
・2倍ルールとは、相手の装甲厚が砲の口径の半分以下の数値の時に標準化の効果を2倍にする効果。
・強制跳弾とは、大きく角度をつけることで貫通力に関係なく弾を弾くこと。AP・APCRは70°、HEATは85°である。
・3倍ルールとは、相手の装甲厚が砲の口径の1/3以下の時に強制跳弾を無効化させる効果のこと。
2倍ルール、3倍ルールがかなりややこしいと思います。そこまで頻繁に使うことではありませんが、これを知っているか否かで大きな差が生まれることも少なくありません。
例えば、頭が硬いはずのIS3は砲塔天板が20mmしかないため、砲の口径が60mmあれば簡単に貫通可能であったり。
このような具体例はキリがないので、WikiやTanks.ggで調べてみてください。
これらの知識を身につけて実際の戦闘に生かしていただけたらと思います。質問などありましたら、Twitterにて受け付けます。